花よし | 日記 | 小さな花束と大きな花束の話

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花よし の日記

小さな花束と大きな花束の話

2016.03.22

小さな花束の話

これは未だ寒さの厳しい2月中頃の話です。
近くの高校で入試の合格発表がありました。 店の前を合格を喜びながら男子生徒とお母さんが通りかかりました。
するとその男の子はスッと 店の前で足を止め、何の迷いもなく店先に並ぶミニブーケを選び「贈り物にしたいです」と私に渡しました。
あまりにも男の子の自然な振る舞いにちょっと驚き「急に思いついたの?」と聴いてしまいました。
すると男の子は「入試試験の時この道を通り、もし合格したらこのミニブーケを買おうと 決めていました。」と教えてくれました。
お母さんは息子さんが急に花を買いはじめたので少しポカンとしていたようでしたが、塾の先生にでも渡すのかしら?位に思っていたのだと思います。
ラッピングを済ませ男の子に手渡すと、彼はクルリと振り返り「お母さん、ありがとう」と言ってブーケを渡しました。
するとお母さんの目から涙が急にボロボロっと零れ小さな花束の上に落ちました。 お母さんは泣きじゃくっているわけでも無く、ただ止めどない涙が溢れては小さな花束の上に落ちていました。

大きな花束の話

それから1週間ほど過ぎてからでしょうか、今度はその高校の3年生が店に来ました。 卒業式に担任の先生にみんなでお花をあげようと 「一人200円づつ集め8600円になりました。これで花束を作ってください。」とクラスの代表の男の子です。
8600円とは大きな金額です。私はすごく大きな花束を提案しました。「プロレスラーがリングで貰う位の花束はどう?」どうやら彼らの担任は小さいおばさん先生らしいのです。(失礼、あくまで彼がそう言ったのです)
彼はクラスの仲間に電話をしサプライズの大きな花束はどうか?と伝えると、みんな大盛り上がりで賛成してくれました。 そして卒業式にその小さいおばさん先生は抱えきれないほどの大きな花束を渡されました。

私にとってこの小さな花束も大きな花束もとても思い出に残るものになりました。本当にこの仕事を続けていて良かったと思います。

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